スクラム冬の陣2017 ~みんなで学ぶスクラム~という勉強会で、樽本さんのセッションに参加して「Contextual Design」の2nd Editionをかじってみた。
Contextual Design, Second Edition: Design for Life (Interactive Technologies)
- 作者: Karen Holtzblatt,Hugh Beyer
- 出版社/メーカー: Morgan Kaufmann
- 発売日: 2016/12/28
- メディア: ペーパーバック
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Context Design V2について
- v1が出たのは1997年。これまでアナログでやっていた作業のIT化を背景とし、"WORK"をデザインするためのものだった(人類学をどうITに生かすかが主題)
- 観察結果をモデリングするという手法は、UMLをはじめとしたモデリング手法があるソフトウェア開発と相性が良かった
- v2の時代では、もはやデスクトップだけに留まらない"LIFE"に範囲が広がった
EXPERIENCE MODELを構成する5つのモデル
- Day-in-the-life(どういうときに、どういう場所で、なにをするのかをまとめたもの)
- Identity(個人のアイデンティティを表すペルソナのようなもの)
- Relation(個人間のステークホルダー、親密さを表したもの)
- Collabolation(複数のひとでどういう作業をしているのかをまとめたもの)
- Sentation(ユーザーの好み、エモーショナルを表現したもの。※ムードボードみたいな感じ)
何故EXPERIENCE MODELを作るに至ったか
- かっこいいものを表現する際に、英語圏ではすべて「Cool」になってしまう。Coolというのは何なのかを調べた結果をまとめると、Joy in LifeとJoy in Useの側面があることがわかった
Joy in Life(製品のコンセプトモデル。生活をJoyにできるか)⇨ UX
- Accomplish:やりたいことが実現できる(Day-in-the-life Modelに対応)
- Connection:人とのつながりを拡張してくれる(Relation/Collabolation Modelに対応)
- Identity:自分らしさを強化してくれる(Identity Modelに対応)
- Sensation:感覚に訴えかける(Sentation Modelに対応)
Joy in USE ⇨ ユーザビリティ
- Direct Into Action : 魔法のようにさっとできること(あっと驚く動きがある)
- The Hassle Factor: 使うときにハードルがないこと
- The Delta:学習曲線、すぐに使えること
最低4つでええよ
旧版のContextual Designで定義されていたモデルと合わせると、新旧合わせて10個のモデル化手法があることになる。10個はさすがに多すぎるので、4つでいい、ということが言われている。結局ペルソナとシナリオ作ろうねって話に近い。
- Day-in-the-life *必須
- Identity *必須
- Relation/Collabolation のどちらか
- シーケンスモデル(旧ワークモデルより)
作ってみよう!
Identity Model
- 今日は「勉強会の参加者」をテーマに、2人1組でモデルを作ってみよう
- 「あなたはどういう勉強会の参加者だと思いますか」から質問を初めて、キャッチフレーズを出してその理由を深ぼっていってね
- ヒアリングが終わったら、3つのエリアに情報をマッピングする
- I do / I am は必須、I Likeは何でもいい(Wishでもいい)
- 本来は、このIdentity Modelを複数作り、似たようなデータをくっつけてひとつにしてパターン化する
- ペルソナよりも「その人らしさ」にフォーカスを当てようとしているModel
- ペルソナは行動、IdentityModelはもっとその奥の「その人らしさ」
- 年齢や性別、イメージをあえていれないようにしている(ペルソナほど擬人化しない)
シンプルにしたペルソナは、Identity Modelに近くなる こういう人いるよね、典型的なタイトルを見つける。タイトルが大事。例:ぼっちスクラムマスター
Day-in-the-life Model
- いわゆるジャーニーマップみたいなもの
- 今日は、「スクラム冬の陣までに参加するまでのプロセス」をテーマに書いてみよう
- 全体を大きく3つか4つに区切ってフェーズ分けして深堀りしていく
- 縦軸は、Action(何をしたか), Place(どこで), Device(デバイス),Content(ソフトウェア)
- ヒアリングが終わったら、清書
- シーケンスモデルの上位概念のようなもの(シーケンスモデルが出た時代はデバイスまたぎを考える必要がなかった)
かんそう
今日は簡易的に2つのモデルを書いてみたけど、シンプルで分かりやすかった。ペルソナを作るときにも感じるのだが、そのターゲットを特徴づけるキーワードを引き出すのが難しい。ヒアリングが肝だなーという別の課題に辿り着いた。 擬人化じゃなく、「その人らしさ」にフォーカスを当てるのは無駄がなくていいなと思う。複数のIdentity Modelの統合はどうやってやるんだろう?ペルソナスペクトルの方法でできそうだけど。 Context Designの原著はハードルが高いけど、今日のワークショップで少し前知識が入れられてよかった( • ̀ω•́ ) POStudyははじめてお邪魔するコミュニティだったけど、みなさんフレンドリーで議論に前向きでテーブルでも話しやすかった!