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入間の航空祭に行ってきた記録

この前の文化の日に、前からずっと気になっていた航空自衛隊入間基地の航空祭に行ってきた。
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前日は雨で、本当に決行されるのか心配していたけど、航空祭の日程は「晴れの特異日」と呼ばれる、前後の人は明らかに違う高い確率で晴れる日に設定されているらしく、前日の天気が嘘のようにカラッと晴れた。

人間航空祭と呼ばれることもあるそうで、基地の最寄りである稲荷山公園駅は物凄い人だった。
 
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輸送機から訓練機まで色んな飛行があった。落下傘は海月みたいだったし、自由に飛び回る飛行機が魚とか鳥みたいに見えた。

中でもブルーインパルスの編隊飛行がめちゃくちゃかっこよかった。技術、信頼、チームワークなにひとつ欠けた状態では成立しないような飛行に鳥肌が立った。
 
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飛行艇乗りになんて惚れるもんじゃないよ、ってジブリのジーナか誰かが言いそうなくらい。
 

産技大の授業後にKPT導入おばさんをしてみた話

9末から産技大の人間中心デザインに通っているのですが、その授業後に有志に声をかけて試しにふりかえり(KPT)をやってみました。「◯◯おじさん」「◯◯おばさん」というと界隈ではマサカリを投げることのできるガチ勢な感じなので、導入おばさんというよりはまだ小娘かもしれない。

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何故やることになったのか

ことのはじまりは先週の授業後の飲み会。飲みの場で「みんなわかってやってるのかなぁ」「演習に入ったら今日のは分かってる前提で進みそう」「もう一回やりたい」という声が。私もあの部分はあれでよかったのか?ともやもやしていて。

去年の卒業生から去年は日曜に復習勉強会をやっていたと伺い、それはよさそうだと。ただ、みんな何がわからないのかがわからないし、きっとそのポイントもバラバラ。復習をやるにしろ、いたずらに素振るのではなくて前回よりもっと精度を上げていきたい。いきなり演習の続きをやるのではなく、ひとまず次に活かしたいこと、わからなかったこと、次回試したいことを整理して次の学びに繋げよう、KPTが使えるかもな。ということで、やりませんか?と近場にいた人と盛り上がったのが先週。

何故やるのか

効率的に失敗と学びを繰り返すため

産技大の授業では「失敗しろ」ということを何度も耳にします。安藤先生の安藤研鬼の十則のスライドの中では、学びのエンジンは、"知識を得たらまずはやってみる、やってみたら必ず反省する"ことだと書かれています。失敗してふりかえって改善したら、今度は一歩前で転べるはず…たぶん。

同志で学ぶ効果を最大化してより遠くに行くため

複数人でふりかえりをするメリットのひとつは、人が書いてるKeepやProblemを見て「ああそれは自分も思ってた」とか「思いつかなかったけど同意!」とか一人では整理しきれなかったことが、人とやることで整理されたり引き上げられたりすることかなと思います。

どうやったのか

ひとまずFbグループに「ふりかえりをしませんか」と呼びかけ、有志で次の週の授業後、1時間でKPTをやってみました。

KPTとはなにか

KPTは、Keep/Problem/Tryの略で、短期間の活動の中の課題の整理をし、継続的な改善を実践していくための思考フレームワークアジャイル開発やスプリント内のふりかえりでよく使われていて、エンジニアならなじみのある人が多いと思う。ホワイトボードさえあればどこでもできる。

タイムスケジュール

21:55 趣旨説明(なぜ今日に至ったか、目的は何か)

22:05 KPT説明

22:10 Keep/Good出し

22:20 Problem出し

22:30 Try出し

22:45 Try順序づけ

22:55 片付け

導入時は「これはよさげ」という感覚がだいじ

今回、KPTやろうず!と言い出した言い出しっぺだけど、ファシリテーションは経験のある産技大の卒業生にお願いしました。というのも、私の今のKPT経験では大人数をさばける自信が無かったことと、できれば初回はふりかえりの価値を最大限に感じてもらいたかったからです。

Fbグループで「やりませんか」とジャブを投げた際に、たぶん受講生の半数の15人くらいは参加してくれるかなという予想がありました。会社でKPTを勝手にやり始めた時に感じたことなんですが、初回で「これはよさそうだ」と改善されてる感覚が得られないと「次やろう」になかなか繋がらない。自信が無くて守りに入った感はあったけど、結果、サポートしてもらってよかったです。たぶん私1人でやったらもっとグダってた。

やってみてどうだったか

事前にKeep/Problemが書けるようにスプレッドシートを共有していたんですが、前日まで全然書かれず「おせっかいだったかなぁ」とガタブルしていました。。。しかし実際はKPTになじみが無かったことと、何を書けばいいかわからなかっただけで、予想以上の人たちが賛同して集まってくれました。

KPTをやった後はみんな結構すっきりしていた気がするし、ふりかえりをやっていこう!という初動がついたような気がします(たぶん)。みんな得るものがあったみたいで初回の成功体験としては十分。今度はこれを「よかった」で終わらせず次に繋げられるかどうか。

個人的 Good/Keep

  • まず声をあげてみる
  • 力不足なところは外からの助けを借りて実行する
  • 人を巻き込む

ビビりなので不安いっぱいでしたが、浅野先生の「情報は発信する人に集まる」「外化を繰り返し、この人はこういうことを考えているんだと分かってもらう必要がある」という言葉に感化され、助けを借りながら、動いてみる -> 何かフィードバックがある -> 次を考える の一歩を踏み出せた気はする。産技大で知識と共に「動いてみる」態度を学んでいる…!(´・ω・`;)

バンギャルちゃんと周辺文化の歴史を知るために読んだ本

音楽はいろいろ聴くものの、元々V系は細く長く好きで、でかいバンド限定だが(メジャー専とdisられるので怖い) 今でもちょこちょこライブに行ったりしている。MASSIVEやSHOXX、FOOL'S MATEはちょこちょこ読んでいたものの、バンギャと呼ぶには中途半端すぎて、一時期なんの脅迫観念からか歴史と文化を学ばねばと関連書籍を漁っていた。本棚を整理してたらまとめたくなったのでまとめてみる。

私が「ヴィジュアル系」だった頃。

私が「ヴィジュアル系」だった頃。

ロッキングオン音楽と人で執筆していた音楽評論家の市川さんの本。古い本なので、V系文化が生まれるちょっと前から全盛期の話が中心に描かれている。もう何世代後のバンドが出てきているか分からないけど、『古典』が読みたくて。V系という呼び名が無かった時代から、いかに栄え初期の盛り上がりが終わっていったかまで。YOSHIKISUGIZO、キリトとの対談を通して、あの時代そんなことがあったんだと知ることができる。SUGIZOの対談で出てきた「麗しき暗黒」という表現が本質っぽい。 市川さん系の本は続編やこんなのもある。

私も「ヴィジュアル系」だった頃。

私も「ヴィジュアル系」だった頃。

ネオビジュアル系という言葉が出てきた頃だったか、こんなムック本が出た。歴史、用語辞典からフリの方法、ライブの収入源の話まで結構読み物のところが面白かった。ライブハウスマップなんかも載ってる。まだイロクイ。が現役だった頃。

VISUAL ROCK ライブ参戦完全マニュアル (タツミムック)

VISUAL ROCK ライブ参戦完全マニュアル (タツミムック)

フィクションだけど、バンギャルちゃんの「おっかけ」の必死さが痛々しいほどにわかる小説。バンドマンと「繋がり」になることに執着して…報われなさがつらい。そういう文化があることは知っているものの、あまりに知りすぎると嫌になる人もいるかも。

バンギャル ア ゴーゴー 上

バンギャル ア ゴーゴー 上

バンギャル ア ゴーゴー 下

バンギャル ア ゴーゴー 下

最近続編が出てる有名なコミックエッセイ。「できるOLになるために読むビジネス書よりロックアンドリードのほうがモチベがあがる」はあるあるすぎだし、地方ギャの苦悩とか親との関係とか青春だった。

バンギャルちゃんの日常

バンギャルちゃんの日常

バンギャルちゃんの日常 2

バンギャルちゃんの日常 2

バンギャルちゃんの挑戦

バンギャルちゃんの挑戦

あと、サイゾーにも『ビジュアル系バンド ブーム再熱の理由』という特集が組まれてた時期があった。密室系、耽美系、コテなどスタイル変遷史が体系立ってまとまってて面白かった。DIRの親分ダイナマイト・トミーさんのインタビューも載ってる。

サイゾー 2011年 11月号 [雑誌]

サイゾー 2011年 11月号 [雑誌]

ファンをやめることを「あがる」という言葉で表現するんだけど、バンドからあがれてもこの分野からなかなかあがれない。なんかの中毒なんじゃないかと思うほど、この歳になってもなお彼らの音楽に依存している。V系は裏切りを歌うけど裏切らない。

レアジョブレッスンカウント100回達成したのでSkype英会話を続けてみた感想など

6月から始めていたレアジョブのレッスンカウントが、この前100回を超えた。1日25分のコースを100回受けたので、約4ヶ月半くらいで合計50時間勉強したことになる。レアジョブとかskype英会話ってどうなの?って聞かれることがちょこちょこあるので、よかったところとか気になったところを書いておく。

www.rarejob.com

よかったところ

意外と綺麗な英語

レアジョブの先生は全員フィリピンの方なんだけど、訛りも少なくて結構綺麗な英語だなという印象。たまに聞きとりにくい人が居るので、検索時に先生の自己紹介の音声を聞いて選ぶのがいい。

自分に合う先生に変えられる

自分で先生を検索して毎日予約する仕組みなので、合わなかったら別の先生を予約することができる。英会話教室だとなかなか先生を変えられないので。

時間を気にしなくていい

元々、週1の90分の英会話のクラス(6人ほどのグループレッスン)を受けていたんだけど、なかなかその時間に仕事が抜けられなくて遅刻したり、出席率が落ちたりしていた。

その点、レアジョブは朝6:00から夜24:30まで好きな時間に予約することができるし、30分前ならキャンセルすることができる。飲み会があっても仕事が忙しくても、24:30に間に合えば授業を受けることができる。実際よく30分前にキャンセルして遅い時間に変えたりしている。

毎日ちょっとづつできる

1日25分というボリュームが毎日続けるにはちょうどよかった。はじめ25分は短いなと思っていたんだけど、対面でちゃんと25分話すとすごく頭を使う。25分は適度に集中できるちょうど良い時間だと思った。習慣として根付くまでは気力が必要だけど、毎日やってると慣れてきて最近は逆に数日空くと口が動かなくなるのでストレスを感じる。

クラスメイトを意識しなくてもいい

グループレッスンはグループの中でレベル差があったりして喋る時間が限られたり、しどろもどろに話すことに申し訳無さを感じたり、そもそも話せない話題を考えるという英語とは別の課題を感じていた(日本語で話せないものは英語でも話せない問題)。レアジョブだとフリートークでも自分の興味のある話ができるので、まず英語に集中したい場合はいいかなと思った。

はじめはビデオチャットに抵抗があったけど、流暢に喋れない分表現力が乏しかったり沈黙が続いてしまったときに相手に状況が伝わらないので、ジェスチャーが使えるビデオがオススメ。音声のみの先生も居るのでお風呂上がりでひどい格好のときなんかは音声だけのレッスンを受けたりしてる。

気になること

たまに先生からコールがこないことがある

予約した時間になると登録したSkypeのアカウントにコールがくるんだけど、たまにかかってこないことがある。都合が悪くなった先生は事前にメッセージをくれたり振替されたりするんだけど、ネットワークの影響なんかでコールがこない場合が何回かあった。※その場合も申請すれば振替レッスンがもらえる。

予約しにくい

予約が次の1回分しかできないので、毎日やっているとお気に入りの先生の予約がすでに一杯になっていて取れないということが結構ある。毎回同じ先生にしたい場合は次回の予約が結構大変。

教え方にムラがある

教材はあるものの、進め方や教え方は先生によって差がある。きちんと細かく文法の間違いを指摘してくれたり、後で復習できるようにチャットボックスにいろいろ書いてくれたり、都度質問がないか確認してくれる先生もいれば、何もなく淡々と進む先生もいる。

レアジョブで英語は上達するのか?

会話力が上達したかはともかく、英会話に通うよりは英語が格段に楽しくなった。先生を検索するときに趣味なんかで絞り込むことができるので共通の話題を見つけやすいし、結構優しい人が多いのでやり取りも楽しい。

ほぼ毎日やってると英語に耳が慣れるようで、TOEICの点数は70点上がって自己最高得点になった。あと確実に「口に出す練習」にはなる。教材はPDFで用意されていて、何度かやってるとパターンは身についてくるものの、文法や単語力なんかはやっぱり別途自分で勉強したほうがより効果的だと思った。文法が苦手なので先輩に勧められてこの本を買ってみた。絵が多くて感覚的に理解しやすい。

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

今サボってるけどiKnow!も良かった。TOEIC60点上がった。

iknow.jp

英語好きな先輩の話によるとOKpandaっていうチャットで会話するサービスも良いらしい。ライティングの勉強になりそう。

OKpanda

フリートークでファッションについて話してたらProject Runwayおもしろいから見てみてって先生にオススメされた。

ネットで学べたり遠くの国の人とやりとりできるなんて、なんていい時代になったんだ…。他にもオンライン英会話のサービスはたくさんあるので、いろいろ試してみたらいいかもしれない。今はレアジョブで満足しているし、会社から補助が出るので今期も続けていくつもり。とりあえず次の目標は200カウント。

産技大履修証明プログラム「人間中心デザイン」で紹介されたHCD系本まとめ

9月の頭から通っている産業技術大学院大学の履修証明プログラム「人間中心デザイン」ですが、教科書や参考文献がかなり多いです。全部読みたくなってしまい、積ん読まっしぐらになりそうなので今後も参照できるようにまとめていこうと思います。2月末まで続くのでとりあえずWIPで。

[追記 2016/5/10] 配布資料やノートなどを漁ってほぼまとめきったのでWIPを取りました!

教科書的なやつ

人間中心設計の基礎 (HCDライブラリー (第1巻))

人間中心設計の基礎 (HCDライブラリー (第1巻))

UXデザインの教科書

UXデザインの教科書

エクスペリエンス・ビジョン: ユーザーを見つめてうれしい体験を企画するビジョン提案型デザイン手法

エクスペリエンス・ビジョン: ユーザーを見つめてうれしい体験を企画するビジョン提案型デザイン手法

▲改訂前の1版にはユーザー要求導出の古い方法であるContextual Analysisに関する記述がある。
情報デザインのワークショップ

情報デザインのワークショップ

参考図書

データ解析への洞察―数量化の存在理由 (K.G.りぶれっと)

データ解析への洞察―数量化の存在理由 (K.G.りぶれっと)

▲データ解析に関する参考図書。ちょっと難しそう…。
情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計

THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計

授業の中で紹介された本

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

デザイン・リサーチ・メソッド10

デザイン・リサーチ・メソッド10

▲ユーザー調査に関する講義で紹介された2冊。デザイン・リサーチ・メソッドは古い本だけど、その頃リサーチに焦点を当てた本がなかったのでかなり売れた本だそう。

コンピュータは、むずかしすぎて使えない!

コンピュータは、むずかしすぎて使えない!

▲ペルソナ法の基となったGoal Directed Design(ゴールダイレクテッドデザイン)の生みの親アランクーパーの本。

UXデザイン入門

UXデザイン入門

▲ペルソナのモデリング技法について書かれていると紹介された本。

Contextual Design: Defining Customer-Centered Systems (Interactive Technologies)

Contextual Design: Defining Customer-Centered Systems (Interactive Technologies)

▲コンテクスチュアル・インクワイアリーの原点。日本語の情報が入ってきていないのだとか。お高い…!

シナリオに基づく設計―ソフトウェア開発プロジェクト成功の秘訣

シナリオに基づく設計―ソフトウェア開発プロジェクト成功の秘訣

▲シナリオからユーザーの要求事項を導き出すシナリオベースド・デザインの関連本。

About Face 3 インタラクションデザインの極意

About Face 3 インタラクションデザインの極意

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

▲人間の認知的特性について学ぶのにおすすめの本

要点で学ぶ、デザインの法則150 ?Design Rule Index

要点で学ぶ、デザインの法則150 ?Design Rule Index

▲認知の基礎が書かれている本

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

▲言わずと知れた古典。インターフェースの3つの概念モデルに関しての話の中で紹介された

認知心理学 (New Liberal Arts Selection)

認知心理学 (New Liberal Arts Selection)

▲『認知心理学の教科書として、比較的いい教科書』とのこと

▲元々は『情報処理心理学』と呼ばれていたそう。薄くてよみやすいらしい。

Designing the User Interface: Strategies for Effective Human-Computer Interaction

Designing the User Interface: Strategies for Effective Human-Computer Interaction

ヒューリスティック評価のガイドラインとなるシュナイダーマンの「8つの黄金律」について知るならこれ

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 210)

続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 210)

KJ法について知るならこの原著

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

ユーザー調査・分析に役立つ書籍

なぜあの人はあやまちを認めないのか

なぜあの人はあやまちを認めないのか

やせれば美人 (新潮文庫)

やせれば美人 (新潮文庫)

▲認知的不協和について詳しく勉強するならこの2冊

認知科学パースペクティブ―心理学からの10の視点

認知科学パースペクティブ―心理学からの10の視点

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

▲確証バイアスについて詳しく勉強するなら。人間の認知特性について知れるらしい。

考えなしの行動?

考えなしの行動?

▲フィードバック(解釈と推測)について。共感につながる主観にたどり着くには、解釈と推測が必要なのだとか。

その他授業の中で紹介されて気になった本

沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか

沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか

▲サービスデザインの授業でアップルのUX戦略について言及された

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

▲製造の時代から流通、情報、顧客の時代へと変遷してきた。流通の時代に関する関連書籍。

デザインの思考過程 (SDライブラリー)

デザインの思考過程 (SDライブラリー)

▲デザイン思考に関する参考書籍

▲奥泉先生オススメのプレゼン資料作成にダイレクトに役立つ一冊

質問から得たデータを分析せよ!『デザイン解析論』前編 -産業技術大学院大学授業レポート-

産技大「人間中心デザイン」の『デザイン解析論』の全10回中6回の授業を終えたので前半戦レポート。

この授業は昨年の履修者から、すべてのユニットの中で一番難しかったという声が出た講義だそう。講師の井ノ上先生から「分からないところは切り捨てて全体を押さえれば良い」「データ解析をなんのために使うのかを理解できれば良い」と前置きがありました。

統計的手法がなぜ必要か

デザイン要素の分類は、主観で行ってもなんらかの知見や気づきを得ることができますが、その基準や再現性はあいまいで、対象が多くなると分類しにくくなります。デザイナーは無意識にその分類をしているようですが、統計であれば対象が多いときでも分類でき、再現性があるとのこと。似たデザインの分析を主観でやるか、統計的にやるかがポイントだそうです。

統計は"わけること"が基本だそうです。私たちはなにかを考えるときに「わける」作業をしていて、基準を持って分けられるということは「わかっている」ということだと話がありました。

統計的手法のステップ

今回学んだ統計のステップは以下のような感じでした。

  1. 調査目的の設計
  2. 質問表の設計
  3. 生データを電子化する
  4. データの2次加工(クロス集計)
  5. クロス表の読み取り(独立性の検定、対応分析法)

調査目的の設計

なにを明らかにするために調査を行うのか、調査目的を設計します。対象(5W1Hに近い)を決めると良いそう。主観(仮説)が他のひとにも通じるかということを調査するのに近いと思いました。講義では以下の例が挙げられました。

SNSユーザが使いたいと思うフォントを、理由と対応づけて明らかにすることを目的とする

質問表の設計

調査目的に応じて、今度は質問を設計します。目的に応じて適切なデータを集めれば、いかようにも分析できるとのこと。逆に、データの集め方次第ですべてが変わるため、どういう由来でデータが出てきたかを抑えないと意味がないそうです。ただ集めればいいというわけではないみたい。。。

後半、グループワークで実際に設計から分析を行うのですが、先生からは「みなさんに成功してほしいなんて全然思ってなくて、むしろまず失敗してほしい」と言われました。そもそもの目的が検証不可能だということもあるからだそうです。

質問のユーザービリティは大丈夫か?

  • その質問で収集したいデータが収集できるか?
  • 言い回しが重要。理解できなかったり人によって解釈の異なる言葉を使っていないか?
  • 1つの質問で聞けることは1つということを把握しているか
  • 国籍や文化で言葉の伝わり方が異なるので注意
  • 直感的に読めるような文章量か?

生データを電子化する

まず、質問表で得られた回答を、分析できるように電子化します。生データをどう扱うかが難しいのですが、行列型にするのがポイントだそうです。回答者を行に、回答を列に取り、観測したケースを1行にします。119人に調査したのであれば、119行になります。

列を質問とする方法と、列を質問の選択肢とする方法があります。こうすることでデータを"行列型"にします。行列、数Cでやったな。。。

データの2次加工(クロス集計)

選択肢ごとに、回答の選択頻度を集計します。例えばフォントの調査であれば、フォントF1と選択肢C3が同時に選択された頻度はx回である、ということが分かります。

この二次加工の段階で、"回答した人が行"というルール(誰がなんと回答したか)は失われますが、データがどういう傾向を持っているかがなんとなく分かってきます。

クロス表の読み取り(独立性の検定、対応分析法)

ここで問題となってくるのが、以下の2点。クロス集計の結果から、主観で"なんとなく"判断はできますが、ほんとうにそうである確証はありません。

  • 回答の偏りは偶然ではないか?
  • 偏りの特徴を見落としていないか?

そのために、統計的仮説検定の『独立性の検定』と統計的データ解析の『対応分析法』を用います。どちらも計算量が必要となってくるので、先生から提供されたRのプログラムを使って分析をしました。

偏りは偶然ではないのか?『独立性の検定』

質問の対象者が100人だった場合、たった100人のデータの結果は偶然の範疇である可能性があります。では母数を増やせば安心かというと、どこまで増やせばいいか分かりませんしリソースもかかります。独立性の検定を行うと、偶然ではなく統計的に意味のある関係であるということが言えます。 クロス表にカイ二乗統計量を用い、カイ二乗値というのを算出し、p値により偏っているかどうかを判断します。p < 0.05(20回に1回くらい)であれば統計的に意味があると言えるそうです。しかしこれでも偶然の可能性は5パーセント残っているそう。

計算がいかに大変かを体験するためのワークシート。こーんな計算結果が一瞬で!Rならね!的な。

偏りをわかりやすく可視化する『対応分析法』

次に、評価対象や質問の選択肢の関係をわかりやすく可視化するために対応分析法を用います。これにより、結果を2次元の散布図として表すことができ、各回答項目間の類似性や関係性を読み解くことができるようになります。

対応分析法は、回答の頻度を表したデータに適用できる分析法です。クロス表の回答比率を3次元上にプロットすると、同じ平面上に乗るのでその中でデータが一番散らばっている方向に軸を取れば2次元の散布図にできるよ、ということらしい。詳しく考え出すと頭が混乱しそうなのでざっくり雰囲気だけメモ。

クロス表が大きくなってもわかりやすく可視化できます。ただし、あまりにも質問を多くしてしまうと2次元で表すのが難しくなってくるとのこと。ここでも質問設計がキモになってきます。

前半のまとめ

今回は座学で学んだ部分を中心に前編としてまとめました。調査も目的の設計が一番大事だということと、データを読み解くための流れが理解できました。定量データもその数をただ眺めるだけではないんだなと。。。今回提供されたRのプログラムは、購入したら20万くらいするらしく、個人の利用範囲であれば自由に使っていいよ!これだけでも授業料の元取れるよ!とのことw

後半は出されたお題を元にグループワークで調査目的の設計から分析までを実際に行った際に得たポイントや感想をまとめたいと思います。

『サービスの青写真を描け!〜「UX Finder」素振りワークショップ』〜 参加メモ

今年の初めにDevLoveで、サービスブループリントを描くためのツールであるUX Finderのワークショップがありました。参加した際にはブループリントも初耳なレベルで吸収するのが精一杯でしたが、社内で共有したり要素を取り入れたりして、だいぶ自分の中で整理できてきたのでまとめ。

devlove.doorkeeper.jp

サービスブループリントとは

Webやアプリの仕事に関わる中で、カスタマージャーニーマップの名前を耳にすることが多くなりました。先にカスタマージャーニーマップとサービスブループリントについて整理しておきます。

カスタマージャーニーマップ

複数のタッチポイントを横断し、ユーザーのサービス体験全体を可視化して理解を深めるためのフレームワーク。ペルソナごとにシーンや行動、感情、課題などをまとめます。ユーザーシナリオに近いです。

web-tan.forum.impressrd.jp

サービスブループリント

一方、サービスブループリントは、ユーザーだけではなくサービスの全体像を可視化したもので、その名の通りサービスの『青写真』。ユーザーだけではなく、顧客と直接接する担当者や、直接は接しないサービスに関わる担当者なども含めます。全体を見渡しサービスの流れに滞りがないか、何が問題であるか発見することができます。業務フローと違うところは、ユーザーの感情や体験が入ってるところかと思っています。

www.coprosystem.co.jp サービスブループリントを用いたWebユーザビリティ評価 - Think Social Blog

UX Finderとは

ヤフー株式会社のUI/UXデザインチームに所属している西森さんが卒業演習として作成された、サービスブループリントを描くことを支援するツールです。origami store に印刷して切って使える雛形がPDFで公開されていて、誰でもダウンロードできます。

UXデザインはツールが揃ってきたけれども、サービスデザインはツールがあまりないのでUX Finderは貴重なのだと主催の@chachakiさんから説明がありました。ワークショップは、そのツールを"素振り"して使ってみようというもの。

事前のお題

事前のお題として、『コンビニのレジ横にある挽きたてのコーヒーメーカー』をテーマにワークショップを行うので、購入した経験のない人は一度購入してみてくださいと案内がありました。

店員さんの工夫を凝らしたUIで話題のあれ。コーヒーが飲めない人も、可能ならコンビニで観察してもらうのもいいかもと。ワークショップでシーンが想像できないと設計できないからとの配慮でしょう。購入経験がなかったので、途中のセブンで購入してから会場へ。

状況設定

参加者は全員、株式会社ミッドマート事業戦略部の社員の設定。

会社情報や業界動向、ミッドマートが展開しているサービスの概要、店内マップ、ペルソナ、ユーザーストーリーマップ(お客さん/店員さん側)がインプットとして配られました。

チームビルディング

はじめに、名前の周りに関心があることや趣味など、自分に関するキーワードを書いた紙を使った自己紹介を行いました。

こういうワークショップでよくあるのが、発言力があったり前知識のある人が引っ張っていってしまい、なかなか全員参加にならないこと。今回はめずらしく、うまくバランスがとれた印象だったのですが、ここの導入がちゃんとしていたからだなと思います。

ステークホルダーの洗い出し

チームの中で、サービスに関わる人の共通認識を持つため、ステークホルダーマップを作ります。フロントサイド / バックサイド2つの円を描き、思いつく登場人物を付箋で貼っていきます。

  • フロントサイド
    • 中心に近い内側の円
    • お客さんと接する人(例:回転寿司屋さんで案内したり味噌汁を運んできたりする人)
  • バックサイド
    • 外側の円
    • お客さんと接しないけど関わりのある人(例:回転寿司屋さんの店長、ネタをお店に運んでくる人)

登場人物が出せたら、お互いにどういう価値のやり取りがあるのか線でつなぎます。フロントサイドを補助しているのはバックサイドの人である可能性もあります。

軸となる人は誰か?

フロントサイド、バックサイド共に軸となる人を抜き出します。今回のテーマ『コンビニのレジ横にある挽きたてのコーヒーメーカー』だと、裏でコーヒーサービスに関わっている人は誰か? ビジネス的な制約事項を考えながら、変えられそうなところを抜き出します。

現状のブループリント(As Is)を描く

配布されたユーザーストーリーマップから、現状のサービスの流れを把握します。まず、以下の軸を置きます。

  • 気持ち
  • 行動(お客さん)
  • 行動(フロントサイド)
  • 行動(バックヤード)
  • もの/システム

続いて、お客さんの体験、気持ち、サービス提供者側の行動、もの/システムをカードに書き時系列に並べていきます。

行動を書く際には「動詞で書く」ということに気をつけながら書いていきました。バックヤードに関しては、コーヒーサービスにはバックヤードがないため今回は書きませんでした。

理想のブループリント(To Be)を描く

現状のブループリントから、課題となりそうな箇所を見つけ、改善策のアイデアを出していきます。現状のブループリントの下側に、改善後のサービスのブループリントを描いていきます。

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アクションが多い箇所には問題がありそうだという視点で課題を見つけていきました。ここで議論となったのが、アイデアのジャンプをどこまでさせるかということ。あまりジャンプさせるぎると、解決策になっていなかったり、また課題が出てきそうになるので難しいところ。

まとめ

1日の中で、既存サービスの現状把握のためのサービスブループリントと、新たに提案したサービスの検証のためのサービスブループリントを体験しました。

参加時にはサービスブループリントの概要しか知らない状態でしたが、ツールがあることで理解が進んだように思います。ツールを通じて、サービスブループリントの描き方を知ることができました。サービスのステークホルダーを巻き込み、専門的な知識レベルの違う人達と共通認識を得ながら進めていくにはこのようなツールが有効かと思いました。

UI設計をしていると、UIで解決できないものであったり「そもそもユーザが求めている機能はそれでいいのか?」という疑問に当たります。カスタマージャーニーマップでユーザー体験の理想が描けても、今度は業務フローの課題が越えられなかったり、要素はより複雑で業務の役割をなかなか切り離せなくなってきていると感じます。。。