7/20に渋谷で開催されたJapan Accessibility Conference - digital information vol.2 に行ってきました(こっそりダイアログインザダークTシャツで参戦してきた :D )
きたよー! pic.twitter.com/GcxfIN8NIq
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月20日
はじめに、『アクセシビリティに取り組んでいる方をエンパワーメント』するために開催されたと、企画意図のおはなしがありました。
個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになることであると定義される。... 広義のエンパワメント(湧活)とは、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させることと定義される。
精神・発達障がい者の社会へのアクセシビリティ
特例子会社とは↓
誰もが個々の能力を公平に発揮でき、自律的に成長できること。そしたら仕事も生きるのも楽しいし、その人の最大のパフォーマンスが出る。特例子会社に関わらず、マネジメントの本質で、働きやすいとはそういうことなのではと思う。特例子会社ゆえに権限が分離されていて、施策が打ちやすいのかもしれないけど、私たちの働く環境もマネジメントもこうあってほしい。このセッションを聞くまでは、例に漏れず、特例子会社は法律で決まってるからしょうがなく、というイメージがあったけれど、それは誤解だった。
QAの仕事だったりバナー制作のお仕事をしているのだそう。少しのずれなんかも気になってしまうから見つけるのが得意らしいです。私は検証苦手なのでそういう得意な人にやってもらえるととても助かるなぁと思う。能力はグラデーションで、個性で、何かできないかもしれないけど何かは得意かもしれないのだ。それでパフォーマンスをあげればよいのだ。できるひとしかうちには要らない!とか、あいつはできないとかそういう話じゃないんだ。うっ、目から汗が...。
色弱の私が色は大事だという理由
入社のときやったな... #ja11yc_d pic.twitter.com/alAr6SScK8
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月20日
ここの色が同じに見えるんだよ、と例を見せてくれた。列になっている横一列の部分は同じ色に見えるらしい。
世界を変えるクラウドサインの取り組み
AB案改善後のユーザビリティテストの実際の動画を見せてくれた。ユーザーテストで得られる学びは桁違い。「キャンセルと閉じるはどう違うんだ?」という発話を聞いて、言葉ってめちゃくちゃ大事だなと再認識した。
企業が真剣にアクセシビリティに取り組む今とその可能性 ーソニーグループの取り組みを通してー
ソニーさんのアクセシビリティに関する取り組みのお話。コンプライアンス(海外の法規制/海外進出)や公共調達(公共機関の調達条件)の企業の側面と、様々な機器で利用されたりユーザーが高齢化していること、品質・使いやすさの側面から、企業がアクセシビリティに取り組まない理由はないとのこと。最終製品をグローバルに出すとなると、海外の法律やコンプライアンス周りの話になってアクセシビリティ、ってなるのはなるほど感があった。
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』というゲームのアクセシビリティに関する動画が紹介された。『多くの人を楽しませたいから、アクセシビリティが最優先事項になるのは当然のこと』と言うコメントが良い!!ゲームのなかでは冒険野郎になれて、気分転換をすることができる、素敵だ。
大企業でのこういう取り組みは形骸化したり、ガイドラインを作っても効力がなかったりする感覚があるのだけれど、長年(2007年くらいから!)取り組んで、ここまで監査役が力を持って、アクセシビリティの品質チェックを行ってるのがすごいなと思った。会社の行動規範にアクセシビリティの視点が入っているのがものすごく強い。ベンチャーや制作会社ではなく、日本の大企業がこういうカンファレンスの場で企業の立場で話したら、アクセシビリティ強い制作会社さんとのマッチングが強まってwin-winでさらに強くなるループが周りそう。声を上げない方が損だと思った。
Webアクセシビリティのスキルがビジネスへと繋がる時代
アクセシビリティに取り組む制作会社の立場で、どうビジネスにつなげていくかという視点でのセッションだった。WEBの利用者が増え多様化してきたので、アクセシビリティに取り組むことが競合優位性になるとのこと。「知る」「組む」「言う」「つかむ」の4つがキーワードとして語られました。
- 知る:今は当たり前でないと知る(専任チームを組むなどして見えるようにする)
- 組む:デザイナーやエンジニアなど様々なロールの人と組む
- 言う:社外アピール、「できる」と言う
- つかむ:できる案件を掴んだり、引き寄せる
4つの視点は、アクセシビリティの話に関わらず、何か新しい取り組みを社内に広めていく際に共通することだ!
参加してみて
今日はアクセシビリティで世界が変わりそうだと感じたし、本当に一発当たりそうだと思いました #ja11yc
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月20日
アクセシビリティを業務にしている訳ではないけど行っても大丈夫かなぁ...と思いながら参加したのですが、アクセシビリティってデザインの話だ、デザインしていくぞと見事にエンパワーメントされて帰ってきたのでした。小並だけど、ここ最近で参加したカンファレンスのなかでもめちゃくちゃ楽しかったです。
いつもスケッチノートにはオレンジと水色を使っているのだけれど、それが気になってきて、スケッチノート仲間と、自分のペンの色が見分けやすい色になっているのか気になってくるね、て話した。そういう見方が少しできるようになるだけでも、変化だと思う。
昼から夕方まで5セッションありましたが、登壇者の皆さんがウィットに富んでいて、おやつゾーンがあったり、休憩時間がゆったりしたりしていて半日いても全然疲れがなかったです。懇親会ではシチューが出たり、ケーキがあったりとこれで千円でいいのか、、、この価値を世の中にちゃんと還元していけということなのか、、、と思うくらいでした。スタッフのみなさま、登壇者のみなさまありがとうございました。
アクセシビリティって、結構昔から大事だと言われてきているけれど、人口の減少や、ウェブが一部の人が見るものじゃなくインフラになった社会的背景もあって、アクセシビリティの重要さが高まっているのだと理解しました。日本の人口は減っていく一方で、高齢化も進み、それでも私たちは働かなくちゃいけない。何も不自由なく生活していると「あっち側」と「こっち側」に分けて考えてしまうけれど、いつ自分の能力が衰えてしまうかもわからない。私でも、梅雨でちょっと低気圧がきただけでも朝会社にいくのがしんどかったり、パフォーマンスが出なかったする。みんなが継続的に働いたり生きていくために必要な考え方なんじゃないかと思う。明日から自分には何ができるかしら。
スケッチノートをシェアしたら、車椅子ユーザーの友達に届いて、また違う視点からの話になったりした。わたしが、これ楽しかったよー!! 来れなかったみんなも見てー!聞いてー!ってやってる勉強会ブログがわりのスケッチノートが少しでも役に立てば嬉しい。
その後思い出したこと
そういえば、大学のユニバーサルデザインか何かの授業で、「2人組になって、一人はトイレットペーパーで目隠しをして駅まで行く」というお題を体験したことがあったのを思い出した。掴んでる相方と音が頼りで、大学から出るのも、大きな道路を渡るのもめちゃくちゃ怖くて、こんな世界で暮らしているのかと思ったのだった。福岡の駅近くを、トイレットペーパーで頭をぐるぐる巻きにした人間と歩くというのは遠目から見て異様だったろう。けれど、めちゃくちゃいい体験だった。エピソードを聞くより、自分が体験した恐怖はものすごかった。手を引いてもらうより、腕を掴ませてもらったほうが体の向きがわかるというのはこういうことか、とかわかることがたくさんあった。トイレットペーパーはなんとかならんかったんかwとも思うけど、いい教育だった。そうやって、少しでも相手を理解できる機会があると想像できるようになっていい。
ふと思い立ってイアログ・イン・ザ・ダークを予約しました。
読む本
カンファレンスで紹介された本、売ってた本のメモ。
悲劇的なデザイン ―あなたのデザインが誰かを傷つけたかもしれないと考えたことはありますか?
- 作者: ジョナサン・シャリアート,シンシア・サヴァール・ソシエ,高崎拓哉
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2017/12/27
- メディア: 単行本
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ミスマッチ 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ
- 作者: キャット・ホームズ,ジョン・マエダ,大野千鶴
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: 単行本
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- 作者: エレン・ラプトン,武舎るみ,武舎広幸
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 伊賀公一
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2011/04/19
- メディア: 単行本
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- 作者: 中島隆信
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/04/13
- メディア: 単行本
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デザイニングWebアクセシビリティ - アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ
- 作者: 太田良典,伊原力也
- 出版社/メーカー: ボーンデジタル
- 発売日: 2015/07/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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コーディングWebアクセシビリティ - WAI-ARIAで実現するマルチデバイス環境のWebアプリケーション
- 作者: ヘイドン・ピカリング,Heydon Pickering,伊原力也,太田良典,株式会社Bスプラウト
- 出版社/メーカー: ボーンデジタル
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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インクルーシブHTML+CSS & JavaScript 多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン
- 作者: Heydon Pickering,太田良典,伊原力也,株式会社Bスプラウト
- 出版社/メーカー: ボーンデジタル
- 発売日: 2017/11/04
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Form Design Patterns ―シンプルでインクルーシブなフォーム制作実践ガイド(仮)
- 作者: Adam Silver,土屋一彦,株式会社Bスプラウト
- 出版社/メーカー: ボーンデジタル
- 発売日: 2019/11/25
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悲劇的なデザイン、めちゃくちゃ良いのでおすすめです..!! (以下、引用
「インターネットへのアクセスは人権だという考えを持つ」
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月14日
『アクセシビリティは自立した生き方を可能にするし、どんな人にもメリットがある。テクノロジーが限界を打ち破る助けになるものだとしたら、アクセシビリティは、限界を飛び越える力になる。』
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月14日
この本エモすぎる...
『ユーザーを理解してはじめて、ユーザーを傷つけないだけでなく、彼らのニーズを本当の意味で満たす正しい方向へ進むことができる。』
— ひろみつ (@hiromitsuuuuu) 2019年7月14日
お前が信じる俺でもない、俺が信じるお前でもない。お前が信じるお前を信じろ。
ですね。