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RSGT2024に参加した備忘録と、その刺激で考えたこととかポエムとか

今年もRSGTに参加してきた。登壇者でもないのに、なぜか参加するだけで前日むちゃくちゃ緊張していたんだけど、3日間参加したあとは2024年のやる気をチャージできた気になっている。休み明けからいきなり脳みそ回りすぎて鼻血でそうだった。昨日、マッサージに行ったら「いつもより頭がこってない」って。ストレスないもんね。コミュニティで話してる時、イキイキしてるとおもう。コミュニティで動くように働きたいわね。

セッションの感想や仕事っぽい話は会社のブログに書くとして、ここでは考えたことをつらつら残しておこうと思う。

furoshiki.fmのステッカーを配った

一昨年ステッカーを作ったのだけど、それが余ってたので今回声をかけてくれた人に配った。ふろしきステッカーを首に下げて歩いてたら、「聞いてます」とちょこちょこ声をかけていただけて、むちゃくちゃ嬉しかったです。会社の人からポッドキャスト聞いてますと言われる実績を解除した。あとは、furoshiki.fmでRSGTを知って参加したっていうひとがいてエモかった!(語意)

キャリア選択にちょっと自信を持つ

帰宅後、寝るまでRSGT2024のDiscordサーバーに入り浸っていた。そこでチケットの値付けの話(OSTのひとつのテーマだった)の文脈で、値付けによりその先で何が起こるか?という話になっていた。かなり深い時間だったので寝ながら聞いてて記憶が曖昧だが、たとえば高額になると社内では購買申請や稟議がが必要になったりする。その金額のボーダーがあったりする。そうすると、上司突破の難易度や参加しやすさが変わって、参加者の質が変わってくるとかそういう話かなと思いながら聞いてた。

2018年頃、物理商品を扱う自社新規サービスの立ち上げに入って、原価が何にかかっているかとか、資産の棚卸しなどなどお金の扱いを知った。それまでは経理処理は事務作業でしょとサービスのフロントに魅力ばかり感じていたが、そのときに「これ…サービスの根幹じゃね?UXとかいうまえにプロダクトやるなら会計だよな」と捉え方が変わった。その頃から財務分析の研修を受けたり簿記を勉強しようかなという気持ちになり、最終的には会計を扱う会社に転職した。その流れは悪くはないなと思いながら寝落ちた。ここ数年は「語学と会計と高度情報処理」が知識として必要そうだなと思うている。

5年遅れで品質との接続のわかりがくる

狩野先生のクロージングキーノートを聞いて、むかしわたしがアジャイルの推進をミッションにしていた頃、品質バックグラウンドアジャイル大好き上司がわたしに「品質保証を勉強しろ」と言ったつながりがやっっと理解できた。ISO?IPA?品証?UXとかデザインに関係ないよ、と毛嫌いして華麗にスルーしていた過去のわたしをグーパンして理解するまで殴り続けたい。むちゃくちゃ関係あるじゃん。上司が賢すぎてそのアドバイスはわたしでは理解できなかった…5年くらい理解が遅延してる。人に勧められたらとやかく言わずに味わってみるのが大事だ。

その上司は「ひろみつは超上流にいけ、UIデザインでとどまるな」とも言っていて、理由が今ならわかる。そのときは興味やキャリアが「UIデザイン」に囚われていたので猛反発したが、この数年は「UIデザイン」に対する執着を成仏させてシステム開発やソフトウェアに向き合うための期間だったのかもしれない。上司の視点からは見えてだけど、内的動機づけのスイッチ押しにくかったんだろうな。やっと内発的動機づけがなされた。

夜にDiscordで「QAが狩野モデルと言い出したら危険だと思ってる」というQAの方の個人的アンテナの話も聞けて興味深かった。「質」とか「品質」とか同じ漢字が使われているが、そこで意味している中身が違いそうだ。狩野モデルの話が、日本の製造業、メーカーが元気な時代の歴史そのもののような感じだったので、Software Is Eating the Worldのとても不確実性と速度の早い現代で、どこまで共通点があるのか応用できるのか気になる。

アジャイルとデザイン

昨年のRSGTは、全体的にシステム思考っぽいつながりを感じたけど、1日目のキーノートを聞くと今年はそのシステムのライフサイクルがテーマになるのかなという感覚だった。なんだか心が軽くなった。自分は組織というシステムのなかにいて、そのライフサイクルがあって、サイクルをくるくるしているのだ。 でもクロージングまで聞いたら、割と「価値」「アウトカム」の話が増えたのが特徴的だったなという感覚になった。

ここ何年か、OSTで「アジャイルとデザイン」関係のテーマを出させてもらっていたんだけど、今年は私が出すまでもなく2つのテーマが出ていた。自分も出したけど、最終的には「UX&アジャイル」のテーブルにマージしてもらった。1週目は「アジャイルとデザイナー、ぶっちゃけどうなの?」、2週目は「UX&アジャイル」のテーブルに参加した。結構人が集まっていたので、今年は話を聞いたり場に出た情報を見えるようにすることをしてみた。

やっぱり、「デザイナー」の仕事に対する理解も様々だし、「デザイン」の意味も広くって、20分ではなかなか足りない。プロダクトの性質やフェーズによってもぜんぜん違うので、参加者のバックグラウンドから聞きたい衝動に駆られる。。。しかし色々話を聞いて、意外とやれてるし視点も獲得していそうだぞ、という自信が持てた。確実に前には進んでいるな、という感じがする。一方で自分が気になる観点までは話せなかったので、スクラムとデザインなかよくする会のDiscordサーバーででも話そうと思う。※あとで聞いたら、私がテーマ出した後もデザイン関連のテーマが出てたみたい

kiroさんのセッションを聞いて、お墓たてたときのブログを思い出した。 意外と色々経験してきている(自己肯定感++)。

セッションを聞けば聞くほど「気になる」が増える

セッションを聞いたあとにこの辺が気になるなーと思い浮かんだテーマ。

  • スクラムにおけるリサーチの話
  • チームにおける個々人同士の「期待」の取り扱いは?
  • 開発者視点で「役に立ってるかわからなかった」「誰のためかわからない」それはプロダクトにとって何が課題か?
  • 開発者がデザインできるようになっていくことに思うこと
  • 専門分化は悪だからやめましょう!リサーチや設計はデザイナーにまかせず俺らがやるぞ!は短絡的な感じがする
  • 近年のRSGTのテーマの流れを経てのわたしの危機感
  • レフトウィング偏重になる傾向について
  • スクラムが嫌いになるとき
  • ”フィードバック” における傲慢さ

ひとつめは、ブロッコリーさんの「できるだけ大きなアウトカムが得られるように、シフトレフトとシフトライトの両面から製品開発に取り組んだお話」を聞いて、プロダクトの使われ方を観察する現場リサーチの話が出てきたので気になった話。自分が業務観察に入ってプロダクトチームでやっていることに近かったので、デザイナーの影はどこにあるのか?というのが気になり、後でブロッコリーさんご本人に聞いてみた。現場リサーチはデザイナーが主導していたらしい。

他のテーマは懇親会にいたメンバーにちょっと話してみた。特に最後のテーマは自分の癖もありそうなので、何か発言があったとき、超楽観解釈と超悲観解釈でまず考えてみるというTRYを得た。

「それはひろみつタイプ」

なかなかな偶然の巡り合わせで、2日目の夜に @piyonakajima さんと@TAKAKING22さんと飲んだ。ぴよさんが、ひろみつと話したかったんだ!と声をかけてくれて、わたしのスクフェス大阪登壇の内容に勇気づけられた話をしてくれた。エンジニアからUXリサーチの領域に踏み込んでいるという話から、デザイン組織との関係の話とかができてむっちゃギャザれた。

話の流れで、パフォーマンスにムラがある30点‐120点タイプと常時80点出せるタイプの話になった。私は前者で、社会人3・4年目くらいで先輩に指摘されている。キャリアを積んで下限は変わったが特性は変わっていない。その120点が出せるのがいいんだよ、バランスはバランスタイプにまかせろとか、得意の分担の話、自分の特性ハックの話をした。いつも悩んでるふうだけど、それは考え続けて進んでいるということだとも聞いた。自分のもやみ特性がニッチな誰かを勇気づけてることもわかった。得た知識から派生した「もやもや」をもっと深堀りたいというモチベーションは確かにある、石の裏のだんごむしの一種。

RSGTはすごい人がいっぱい来てるけど、自分は全然できないや…と凹むことがないのはなぜだろう?好奇心がそれを越えるし、あなたはここがGood、わたしはここがGoodということに目を向けられる安心感がある。あなたはこれが足りない!!とは言われなくて、このポイントはむちゃくちゃすごいし特性だよ、そこは弱いのわかるよ、でも自分がそれをサポートできるから120を出してほしいんだ、それに困ってるならこういう情報があるよ、という情報が押し付けられずに置かれるかんじ。かといって現状に満足するわけでもなく、ギャップは遥か遠くに見えていて、その「まだまだ感」をだめだとは思わないというか。わたしが個人商店じゃなくチームがすきなのは、30-120点タイプのパフォーマンスにムラのある自分が、120を出せるからかもしれない。それがマネジメントでしょと言われりゃそうなんだが。個として30があるのがだめ、60-80にしなきゃとずっと注意を向けなきゃいけないのは病む。

背中をみている人がいる、前だけ向いてろ

いろいろギャザるなかで自己紹介してたら、「自分がRSGTに行くと話したら、奥さんが『そのイベントは自分が目標にしているデザイナーさんが行ってるイベントだ』と言ってた、それがひろみつさん」という話を聞いて、肌がざわざわざわっとした。いつもモヤっているけど、誰かの背中になっていることがあるんだな、教えてくれてありがとうありがとう。

劇薬に気をつけろ

会社に戻ったら火力を参加してない人にそのまま向けないように、という話がDiscordサーバで盛り上がってて、昔の自分も思い出した。RSGTにくると、いろんな知識が手に入る、知的好奇心がものすごく満たされる。でも、手法や新しい概念は劇薬。トンカチ持ったらすぐに殴りたくなるやつ。コンウェイや組織について知った時、当時の本部長に、開発じゃなくて組織なんです!とテンション高く話したことがある。そのときの、本部長は「じゃあどう変えたらいいと思う?」と。そこに対して自分は明確な答えを切り返せなかった。そんなこたぁ100も承知で、数多の制約と力学がまったく見えてなかったわよね。冷静に問いを返してくれた本部長の力量よ、、、と思う。調子に乗ったとき、別視点に気づくように促される。

アジャイルであることが有効な、ビジネスや不確実な世界にAdaptしていくということは、対象を知らないと適応なんてできないわけで、ビジネス的振る舞いをお前がやれ!ってことじゃないんだよなというのを改めて思うなどしている。あと、スクラムマスターやマネージャーになりたい、役割になりたい、というモチベーションは危険という #furoshiki_fm エピソードも思い出した。

みんな、焦りがあったり、無理することがある

終わった後のツイートで「無理をしてきた自覚」の話を見た。私もここ5年くらい無理してたなーという自覚があって、転職した2年前からだいぶ時間の使い方と生活がかわった。モチベーションが保てないなくて自分にがっかりしたり、だいぶ体にも出てきていた。火力を使いすぎたので、畑を休ませてるということだと自分に言い聞かせている。

昔は違うコミュニティのカンファレンススタッフもしていたけど手を挙げずにいるし、本を読む量が減ってるし、ブログも書いていない。ポッドキャストとか記事執筆は、自分のテンションを保つために必要なものとして続けているけど、最小限持続可能なものだけにセーブされている。(逆に全部なくすと無になって死ぬ)。自分のことだから、またアクセルを踏むときは踏むだろうし…と冷静に自分の状態を捉えるまで時間はかかった。RSGTは久々に「わくわく」を思い出した。今までの経験や知識は取られないし、繋がりも切れないし、火力のあった頃のわたしを評価してくれている人もいる、また整ったらアクセル踏むさね、と思えるまで。というのが認識できたのは、コミュニティの影響も大きいと思う。前は少しでも停滞すると、腕前が錆びる!とむちゃくちゃ焦ってた。

やっと2024がはじまる

お弁当。糖質制限中だけど3日間はチートデイということにして全部食べた(甘い)。

RSGTのパワーチャージのおかげで1年ぶりのブログが書けた。2023年を経て、UI設計やチーム開発への執着を一旦手放してニュートラルにするのがいいかもな、という気持ちになってきている。2024は「まずは自分が安定する」がテーマになりそう、安定しないと周囲の観察の余裕ができないし、安定しないまま観察したらよそ見になる。自分の機嫌と敵将の首は自分で獲れるようになる。そのために今年も猫カフェとキャンプに行きます(謎